今も尚「アメリカ海軍 最強のアウター」として語り継がれる、80年前のヴィンテージコートの存在を知っていますか?
こんにちは!
「シフクのアメカジ」の若者と申します。
このサイトはアメカジ好きな皆さんの私服の時間が、至福の時間に変わるような情報を発信しています。
みなさん、ミリタリー物はお好きですか?
アメカジを語る上でミリタリーは外せないですよね。
ミリタリー物が持つ男らいし無骨さや計算された機能美、歴史を感じさせるディティールに魅了されている方も多いと思います。
今回はそんなミリタリーの魅力がとことん詰まった一着をご紹介します。
ご紹介するアイテムは
1940年代のUS NAVY Pコート。
アメカジ好きの中ではもはや定番の人気のヴィンテージアイテムです。
誕生から80年経った今でも、様々なブランドがこのコートを元にしたアイテムを出しています。
まさに最初にして最高の完成度を誇る、そんなヴィンテージコート。
このコートが80年経った今でもアメカジ好きを魅了する理由について迫ります。
US NAVY Pコートとは
元々1910年代あたりからアメリカ海軍で採用されていたアウターです。
今ではPコートとして同じようなコートを街でよく見かけますが、こちらは当時の海兵が実際に着ていた実物。
命を守るためのゴリゴリのミリタリーアイテムです。
現在のよくあるPコートとは細かい作りやクオリティーがまるで違います。
(ちなみにPコートのPとは「pea=錨の爪の意」という説や「オランダ語でpij=粗い毛織物の意」という説があります。)
また船の甲板の上での作業を前提とした作りのため、防寒性がとても高く「アメリカ海軍最強のアウター」とまで呼ばれています。
年代によってボタンの数や生地の違いがありますが、比較的手に入れやすくオススメなのは40年代の物。
そんな歴史あるUS NAVY Pコートについて更に詳しく見ていきましょう。
ここがすごい!US NAVY Pコートの特徴9選
高密度メルトンウール生地
「アメリカ海軍最強のアウター」として呼ばれる一番の理由は生地にあります。
今では考えられないほどの超高密度のメルトンウール生地を使用しており、とにかく高い防風性と防寒性が特徴です。
当時の技術でなんとしても甲板員の命を守るために作られたのでしょう。
生地の密度の濃さが半端じゃありません。
重厚感がありながらも滑らかな肌触りのなんとも不思議な生地です。
今このクオリティーの生地を使ってPコートを作ると軽く10万円は超えると思います。
この生地感は実際に触っていただかないと伝わらないのが残念です。
手に取っていただくと「アメリカ海軍最強」と言われている理由がわかるはずです。
生地のネイビー色の秘密
一見真っ黒に見える生地ですが、よく見るとネイビーがかっている色味です。
これは海の上でも目立たないような迷彩効果のためと言われています。
よくイメージするミリタリーの迷彩はウッドランドカモなどの派手な色が多いですが、この一見シンプルな色のPコートも一種の迷彩色と言えます。
今では見慣れたよくある色みですが、実際は戦争が生んだしっかりと意味のある色なんですね。
この歴史と機能美を感じられるロマンこそがヴィンテージミリタリーの醍醐味です。
US NAVYの象徴 アンカーボタン
ボタンにはUS NAVYの軍服であることを証明する錨のマークのアンカーボタンが使われています。
このボタンは寒い甲板の上でグローブをしていてもボタンをしっかり閉められるよう、大きなサイズのものが使われています。
ちなみにこの錨のマークのボタンは1940年代になってから使用され、1930年代までは錨のマークに加え13個の星も描かれた通称13スターボタンがつきます。
13スターボタンの個体は希少性が高く、なかなか市場に出回りません。
その分価格もスペシャルなことが多いです。
何に使うの?10個のボタンの本当のワケ
この40年代のPコートは別名10ボタンPコートとも呼ばれます。
フロントに大きなアンカーボタンが10個付くことからそう呼ばれています。
この一見意味の無さそうな10個のボタンにもしっかりとした理由があります。
海のど真ん中の船の上ではとてつもなく強い雨や風が吹きさらします。
しかもその風の向きは船体の進行方向や気候条件によって毎回向きが変わります。
そんな過酷な現場のために生まれたのがこの10ボタン。
様々な方向からの風を防ぐために、コートの閉める向きを変えられるよう左右に等しくボタンが付いているのです。
今では見慣れたPコートの形もこういった背景があって出来上がったのです。
こういう服の成り立ちが面白いと思うのは僕だけでしょうか?
大振りの襟
襟はかなり大振りなものを採用しています。
これは襟を立てて強い風や雨を防ぐためです。
襟を立ててもしっかり様になる形なので普段使いでも重宝します。
ちなみに40年代のものまでは襟を固定するためのチンストラップが付くのですが、残念ながら僕のこのPコートのチンストラップは欠損してしまっています。
チンストラップをつけるためのボタンはしっかり残っています。
ここにも錨のマークが…!
ポケット裏の秘密
このPコートには見えないところにもしっかりした作り込みがあります。
ポケットの内側を覗いてみると、なんとコーデュロイ素材を使ってます。
ポケット裏にコーデュロイ素材を使うことでハンドウォーマーとしても使えるように工夫がされています。
細かいところまで手を抜いていません。
相当コストがかかった作りになっています。
裏地のレーヨン素材
裏地にも手を抜いていません。
裏地にはレーヨン素材のライニングが使われています。
サラッとしたレーヨンのライニングのおかげで、この重たいPコートでもストレス無く着ることができます。
本当に着る人のことをしっかり考えて作られています。
ちなみにレーヨン素材が使われるのは1940年代以降のモデルで、これより古い年代の物にはコットン素材のライニングがつきます。
個人的にはこの肌触りの滑らかなレーヨン素材のライニングの方が好みです。
リアルミリタリーの証の内タグ
40年代のPコートには内側にこんなタグが付いています。
NAVAL CLOTHING FACTORYという工場で作られていたようです。
下には兵士の名前と階級を記入する欄があります。
記入してあるのがうっすら見えますが、インクが抜けてしまって読めません。
こんなのもリアルミリタリーの物ならではです。
内タグのデザインも40年代より昔のものは刺繍タグになっていたり、このタグだけでも生産時期によって仕様が異なるので年代判別の材料になります。
ショート丈のシルエット
コートと言っても、意外と着丈が短いのでスッキリと着ることができます。
流行に左右されない、どんな時代にもマッチする普遍的なシルエットです。
80年経った今でも全く古臭く感じないので、その頃に既に完成されていたデザインなのでしょう。
僕はこのコートを孫の代まで受け継ごうと思います。
コーデ
細かなディティールを見てきたところで、お次は実用編。
このUS NAVY Pコートを使って2通りのコーデを組んでみました。
なにかコーデの参考になれば幸いです。
カジュアルなアメカジスタイル
- Jacket: US NAVY P-coat
- Inner: JELADO
- Cutsew: Saint James
- Pants: Vintage US ARMY M-43
- Shoes: Converse
- Belt: ART BROWN
- Hat: JELADO
カジュアルなアイテムにこのPコートを合わすと、意外と全体の雰囲気がまとまり大人なアメカジスタイルになります。
元々が海軍のアイテムなのでボーダー柄のカットソーとの相性はバッチリです。
また肩がしっかりあるシルエットなので、インナーにGジャンを持ってくることもできます。
モノトーンを意識したキレイめスタイル
- Jacket: US NAVY P-coat
- Shirts: FOB factory
- Pants: FULLCOUNT
- Shoes: Rolling dub trio
- Belt: ART BROWN
- Hat: H.W Dog&CO
Pコートの持つクラシックな雰囲気を楽しむスタイルです。
デニムも濃紺の物を使い、全体をモノトーンでまとめることで落ち着いた雰囲気になります。
帽子には海軍の象徴ベレー帽。
ここら辺は自己満で楽しむと良いと思います。笑
現在のレア度と相場価格
当時の生産数が多かったのか、他の40年代のヴィンテージアイテムと比べると見つかりやすい印象です。
ヴィンテージを専門にした古着屋さんを何件か探せばまだ数着見つかると思います。
ですがやはり古い年代のものですので、年々球数は少なくなっています。
その中でも状態の良いものは確実に減っていっています。
お探しの方は、手に入るうちに手に入れることをオススメします。
また、現在(2021年)の相場はおおよそ15000〜30000円あたりです。
ちなみに僕は23,000円くらいで手に入れました。
このクオリティーでしかも80年前のヴィンテージと考えるとかなり安いと思います。
間違いなく一生物のコートなので是非狙ってみてはいかがでしょうか?
まとめ
今回はUS NAVY Pコートについてみていきました。
そもそも80年前のコートがこんなにも状態よく残っていること自体が、このコートの丈夫さを証明していますよね。
一生物のPコートをお探しの方に本当にオススメできるアイテムです!
「シフクのアメカジ」ではアメカジを通して私服の時間を至福の時間になるような情報をお届けしてます。
もし少しでも役に立ったという方は是非SNSでのシェアをよろしくお願いいたします!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
それでは!
コメント